行列の女神~らーめん才遊記~の評価・感想・口コミ
このドラマは芹沢が主人公ではあるんですが、個人的にはゆとりが主人公にも見えるよなと思っています。自由奔放に興味津々に動き回るゆとりは主役級の活躍だなと思いドラマを見ています。一番好きな場面は芹沢とゆとりの母・橋爪ようことの毒舌合戦が見ていて面白いです。
そして、ラーメンコンサルタントということですが、内容がチープな感じがして薄いような気がします。共演者も地味で演技も良くなく、見所が少ないと思います。松井玲奈さんがゆとりを演じれば面白かったかなと思います。
“濃口しょうゆラーメン:解”めちゃめちゃスープと麺が輝いて見えました。その証拠に、橋爪よう子(高畑淳子)が完食したうえに、スープまで完全に飲み干すなんて、ワクワクしたラーメン以外の何ものでも無いんだと思いました。
最後に、「ワクワクするラーメンだったわ!。」そのセリフが全てです。
浜本(岡本健一)のラストシーンは、格好悪すぎです。最高の結末をありがとうです。
でも、確かに、手打ちラーメンの人気は下がったけど、機械打ちの技術が上がったからで、ラーメンの値段が下がった訳ではない。創作ラーメンというのも人気があって。その第一人者の芹沢達美は、そのオリジナリティと情熱を見せつけて、最終回を閉じたのです。
鮎の煮干しにとことんこだわった味。柔らかな鮎の煮干しは、原価が高いだけでなく、管理コストまでかかるはずです。重ね重ね、ラーメンのいろんなパーツに鮎を使うとなると、その味の調子の重複が怖くなるんじゃないでしょうか。海の物に比べると単調ともいえる要素もありそうな鮎の味。労働コスト的にも神経を使いますよね。
でも、ここぞ!という時に、いただきたい味なのでしょう、きっと。鮎が川底の石についた藻を歯でかじり取って、食べている様子が思い浮かべられて…。繰り返し繰り返し、かじってかじって。鮎の清廉な魚体が、重ね重ね、ラーメンどんぶりに、取り込まれてくる様子…。想像しただけで、たまりませんね。いい釣師ですね、芹沢さん。お客さんがわんさかと。釣られてみたいものですね。
昔、品川店長だった安本が、鮎の煮干しの味にこだわりすぎて原価率が下がらず、儲けが少ないのを否定して、煮干しをイワシに勝手に変えてしまったので、追い出された恨みで、芹沢を潰してやろうと企んだので、芹沢はピンチだと思いました。しかも、ラーメンは日本文化に似合わないフェイクのB級グルメだと馬鹿にしていた橋爪がフードサミットの運営委員長になってラーメン部門を中止にしたのも致命的でした。芹沢はワクワクするラーメンで橋爪が美味しすぎて驚きのあまり、くたばっていただけたら万々歳だと受けて立った芹沢は、本当に大丈夫かと心配でした。それで芹沢は1000円という価格で、究極のワクワクさせる鮎ラーメンを作って宿敵、橋爪の口をうならせてフードサミットも頑張ってと言わせたのは大したものです。
一番、凄かったのは喧嘩を売ってきた安本に、芹沢がカタクチイワシを使った安いラーメンで勝負すると宣戦布告して安本を撤退させたラストでした。潰れて行く店は、明日の自分達かもしれないと言って、危機感を持って努力を忘れない芹沢の姿はインパクトがありました。